こんにちは アラカン少年です。
京都大学の本庶佑(たすく)先生がノーベル医学生理学賞を受賞された事は記憶に新しいと思います。
今日は、有楽町朝日ホールで行われた本庶先生の講演会に行ってきました。
ノーベル受賞者ご本人のお話を聞けることで胸が高鳴ります。
テーマは「本庶佑さんと考える''独創性''とは」です。
親しみをもって「先生」ではなく 「さん」と呼ばせてもらいます、
と司会の方がおっしゃっていました。
みなさんご存知だと思いますが、この免疫の研究は、がん治療に大きな革命をもたらしました。
私の知る限り、5-6年位前までは「免疫の研究などとんでもない」という風潮があったように思います。
事実そのころは、民間の怪しい免疫治療や療法が幅をきかせて(今でもそうかもしれませんが)いました。
また、医学従事者の多くは、手術、抗がん剤治療、放射線治療という3つの標準治療以外の免疫治療を否定していました。
日本では大手製薬メーカーも否定的で研究費はなかなか捻出できなかったことと思います。
しかし、そういったなか本庶先生のチームは、免疫を抑制するタンパク質「PD-1」を発見し、画期的ながん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につなげ、がん治療に新たな道を開いたのです。
おめでとうございます!!
心より拍手です!
ちなみに、受賞後はオプチーボがあまりにも有名になりすぎて、「万能の薬」のように間違った噂が飛び交いました。
現在、国内外で皮膚がんに続き、胃がんや肺がんなど多くのがんを直す可能性があることは間違いありません。
でも使える人はまだまだ限られているのでご注意を。
例えば肺がんでは、実際使える人は20%くらいだったと思います。
本庶先生によると、現在もPD-1と免疫治療薬との組み合わせで1000以上の治験が行われているようです。
治験が進み3~4年で明らかになると、今後のがん治療は飛躍的に進歩します。
これはすごいことです。
がんで苦しむ人が少なくなることを、こころから願うアラカンです。
第二部では、「独創性を生み出すには」と題し、若手のドクターや内閣総合科学技術の人がパネラーとして加わり、基礎研究とイノベーションについてパネルディスカッションをしました 。
イノベーションと言うと少々使い古された言葉のように思います、
特にものづくりを誇っていた日本は、今や様々な業種で欧米に置いていかれているのですがら禁句のようにさえ思います。
この医療の基礎研究においては、今や中国がアメリカを制し、イノベーションを伴う研究が進んでないのは先進国で日本ぐらいのようです。
基礎研究が進んでいない理由は・・・
もちろん国からの補助が不十分であることが大きいのですが、もう一つは80年から90年にかけて大手企業が基礎研究から手を引いた経緯があります。
すぐに成果の出ない事業に辛抱して投資し続けることができない、よって研究所を閉鎖する、営利企業ならではの悩みがあるでしょう 。
とにかく、国や企業だけに頼っていては前に進まないわけです。
その場合アメリカなどは、その財源の多くを個人寄付者から得ています。
本庶先生もノーベル賞をとった後、本庶佑有志基金(京都大学基金)を作り、もうすでに数億の寄付が集まっているそうです。
とかく「日本は寄付文化がない」と言われますが、震災の時の支援を見ても文化がないわけではない。
いわば 寄付の仕組みがないだけ です。
今後研究者に対する寄付は、もはや国の事業を支える、そういった重要性を持ってきていると思います。
今日の会場は、約 600人のうち約100人の高校生が招待されていました。
未来を背負って立つ、子供ながらにとても熱心な眼差しで講演とディスカッションに聞き入っていました。
うれしいことです!
最後に、本庄先生から子供たちに対するメッセージです。
一回しかない人生です。
後悔をしないこと。
好きなことをすること。
先生の言うことを聞いてるだけでは先生より偉くなれないよ。
たまには先生に難しい質問をして議論をするくらいでないと。
自分で考える。
その文化を育てることが大切です。
また高校生ながら基礎研究者を目指す人がいました。
その高校生に対するアドバイスは、良い先生を選ぶことでした。
本庶先生はプレゼンテーションの中で、ご自分のラボの若手研究者を次々に紹介していました。
このノーベル賞は決して自分が1人がとったものではない。
先生が指導するラボの研究者と一緒に議論を重ね、そしてひとつずつ成果を積み重ね、それがノーベル賞につながった、
言葉にはありませんでしたが、そう言いたかったんだと思います。
若手にタスキをつないでいきたい、
また日本の全研究者にエールを送りたい、
そんな強い思いを感じたメッセージでした。
ではまた!
いつも読んでいただきありがとうございます。
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2022年還暦時に「定年リタイア宣言済み」現メーカー勤め人。
アラカンなれど少年マインドで、豊かな人生を楽しむ方法を探求中。
自称「定年後の居場所アドバイザー」
アラカン少年こと嵐山還三郎
妻と娘の3人暮らし@神奈川
仏像フィギュアコレクター
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